話し合いにもルールがあることを知ろう3
全員の「心」が宿るアイデアを出す
話し合いの目的、目標に対して、適切な結果になっているかを考えながら、できる限り参加者全員が納得する結論を導き出すことが大切です。これを、『合意形成(コンセンサス)』と言い、話し合いの参加者にとっては「最良の結果」でなくても、参加者全員が「支持できる案」を全体で作りだしていくことが合意形成です。
つまり、合意形成の基本形は、正しいアイデアを考えるのではなく、
「全員が納得するアイデアを考える」ことが重要です。
特に、仕事は組織的に進めていく場合が多く、いろいろな考えや価値観を持った人の意見をまとめなければいけません。
例えば、部門間や課の間にまたがる問題は当事者が集まって意見調整をしなければいけませんし、グループで仕事をする時にも色々と調整しながら仕事を進めなければいけません。そのような時こそ『合意形成』が必要となるのです。
物事の決め方
更に、具体的に物事を決める方法として、下記のような様々なやり方があります(※図1参照)。
レベル1:個人で決定する
レベル2:個人の平均をとる
レベル3:自信のある特定の人が決定する(少人数コントロール)
レベル4:多数決で決定する
レベル5:合意形成(コンセンサス)
結果の「妥当性」と「満足度」はコンセンサスが一番であるため、重要な案件やグループ内で進めていかなければいけない案件は合意形成で決めることが望ましいとされています。
合意形成を助けるツール
会議の参加者全員が納得する結論を得るのは非常に難しいですが、その助けとなる考え方・ツールを紹介します(※図2参照)。
※メリット・デメリット法
選択肢をすべて並べ、それぞれのメリット/デメリットを列挙し、メリットが1番大きく、デメリットが1番小さい案を選び取る方法です。
※ペイオフマトリクス法
実現性(遂行が簡単 or 難しい)と収益性(収益が大きい or 小さい)の2×2のマトリクスで分類し、判断する方法です。最も望ましいのは、遂行が簡単で効果が大きいものであり、この条件を満たすものを最良のアイデアとして採用します。
合意形成に至るまでの障害
合意形成で決めようとしても考え方の違いが出たり、対立して感情的になってしまったりで意見がすぐにまとまらないことがよくあります(これをコンフリクトと言います)。
その障害となるもので代表的な例を挙げてみます。
①特定の人が勝手な行動をとる
②自分の関心を優先させる
③過去のしきたりや風土の影響
④目指す先がバラバラである
⑤個人的感情が入る
⑥遠慮が入る
⑦リーダーの力不足
以上、7つの障害を紹介しましたが、このような障害を乗り越えて、よりよい結論が話し合いの中で出るように全員が協力し、話し合いを進めて、
「全員が納得するアイデアを考える」
ことで、組織の発展をスタッフ全員で実現していきましょう。