話し合いにもルールがあることを知ろう2
話し合いの5ステップ
前回は販売促進におけるアイデアが活発に出され、生産的な話し合いが可能となる5つのステップ(①準備→②導入→③整理→④合意形成→⑤まとめ)をご紹介しました。
そこで、今回はその話し合いを実行する際のポイントを詳しくご説明します。
話し合い時の「ルール」を決める
「導入」時にて、生産性の高い話し合いに導くため、議論が活発化するよう最初に簡単なルールを決めておくとスムーズに進みます。
~具体的なルール(例)~
- メンバーが話している時は、途中で口をはさまない
- メンバーの発言やアイデアはすぐに否定せず、一度受け止める
- 一人の発言は3分まで(制限時価を決める)
- 内職(会議に関係のない作業)は禁止する
話しやすい環境を作る
会議にあたっては、興味・関心を示す姿勢を意識し、話しやすい環境を作ることが大切です。せっかくメンバーが発言しても、その発言や発言をしたメンバーに対して・興味・関心を伝えられない環境では、議論が活発化せず、結果的に雰囲気がどんどん悪くなるという負の連鎖を生みかねません。
3つの「きく」
そこで皆さんに知っていただきたい3つの「きく」をご紹介します。
※聞く(Hear)
相手が発する言葉を、受身的に聞くということです。
※聴く(Listen)
能動的、積極的に耳を立てて聴くことで、これを「傾聴」と言います。
傾聴とは文字通り「聴く」ということで、会議ではこの姿勢が非常に重要です。
※訊く(Ask)
質問するということで、なんらかの答えを聴きたい場合に使われます。会議では、意見に対して質問を重ねる(訊く)のも議論の呼び水として効果的です。
そして、話し合いの際、参加者は「聴く」「訊く」を意識して臨みましょう。
更に、話しやすい場を作る上で必要な参加者の体の使い方(ノンバーバルコミュニケーション)も大切です。例えば、
- アイコンタクトをとる
- あいづちをうつ
- 適宜、復唱する
等が上げられます。
全てを意識するのは難しいと思いますので、まずは一つ二つでも構いませんので、「導入」時には意識してみましょう。
出たアイデアを「整理」する
導入段階でアイデアや意見がたくさん出たら、次にそれを整理(収束)しなければなりません。
まずは、議論の道筋を整理する事が必要です。
話し合いでどのような議論が行われたのかを改めて整理し、流れを確認・可視化することで、結論にいたるプロセスが明確になり、結論を求めやすくします。ここで大事なのは、結論がどうだったのかではなく、どういったプロセスを経て議論が進んだのかを明確にすることです。
また、出されたアイデアや意見を不要なものと必要なものを仕分け、同じような意見やアイデアをまとめたり、それぞれの関係性を明らかにすることも重要です。
アイデア整理法「ミッシー」
MECE(ミーシーもしくはミッシー)とは、「相互に排他的な項目」による「完全な全体集合」を意味する言葉です。要するに「重複なく・漏れなく」という意味です。
例えば人間という集合を例にとると、「年齢」による分類は、ある人が同時に30歳と1歳になることは不可能(重複なし)であり、全ての人がX歳という集団に属する(漏れなし)ため、MECEとなります。
一方、「職業」による分類は、兼業を行う人間(重複)もいれば無職の人間(漏れ、ただし職業として「無職」という項目を設けるとすれば、漏れはなくなる)もいるためMECEとなりません。
MECEで物事を考えると、見えていなかった部分が見えてきたり、不足している条件や事象を洗い出せたりするため、論理的思考を進めるうえで重要な考え方となります。
MECEのポイント
※重複よりも漏れに注意する
重複はあとで再分割して吸収したりすることで対応が可能です。また、漏れは視点の欠落であり、後に大きな問題を生む恐れがありますから、特に注意しましょう。
※切り口を混在させない
例えば人を分類する際、性別、年齢、職業などさまざまな切り口がありますが、これらを同じレベルで混在させないようにしましょう。
次回は、話し合いにおける「合意形成」に付いてお話しいたします。